昨今、人材不足が著しい一方で一般生活者からの要望が非常に高い作業分野である介護分野が、今回「特定産業分野」に認定され、特定技能者の受け入れが可能になりました。つまり、「生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行っても尚、人材を確保することが困難な状況にあるため、外国人により不足する人材を確保すべき産業上の分類」として認められたわけです。事実、介護分野では2019年の有効求人倍率が 、3.50倍と非常に高い値を示しています。折しも、民間調査会社 から2019年上期(1月~6月)における「老人福祉・介護事業」倒産件数が55件と、上半期では2018年同期から2年連続で上回り、介護保険法が施行された2000年以降では、上半期で最多を記録することになりました*。この倒産原因のほとんどが人材不足によるもの。介護分野における人材不足は、すでに進行中の危機なのです。訪問介護・ヘルパーなどの施設外での介護業務領域には外国人特定技能者は従事させられません。しかし、ここで紹介する特定技能外国人には介護施設での介護人材不足を補う人材として、非常に高い期待が寄せられています。
* https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190704-00010002-biz_shoko-bus_all

人材要件

介護分野における求められる人材の基準をご紹介しましょう。特定技能外国人には特定技能1号という在留資格で就労することになりますが、その要件について以下を満たす必要があります。
①介護技能水準について「介護技能評価試験」に合格すること(又は同等以上水準)が義務付けられています。
②日本語能力水準では、日本語能力判定テスト又は日本語能力試験でN4以上に加え、「介護日本語評価試験」に合格すること又は同等以上の水準が義務付けられています。

さらに、技能実習制度との相関で、介護分野の「第2号技能実習」の修了者であれば、特定技能の在留資格を取得することができるようになっています。ただし、技能実習制度自体が2017年11月からの実施のため、技能実習2号に該当する方は未だ出ていない状態になります。

就労内容

特定技能1号外国人が就労できる業務には次のようなものがあります。
①身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)。
②支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)。
ただし、現在のところ訪問介護等の自宅等に訪問してのサービスにおける業務は対象となっていません。

まとめ

今や待ったなしの人材不足に悩む介護分野にとって、重要な戦力となる「特定技能外国人」の受け入れは、喫緊のテーマ。今回2019年4月より実施された特定技能制度によって、介護業界を志望する外国人をより確保しやすくなるでしょう。ただ、特定技能は、転職可能な制度。せっかく採用した外国人材が快く働け、定着できる環境を整えられなければ、根本的な課題の解決にはなりません。本制度の活用により、介護業界の人手不足がどれだけ解消されるのか、見守っていきたいと思います。