少子化の日本にとって貴重な労働力となる外国人在留者。その中でも特に真面目で勤勉と言われているのがベトナム人です。今回は人材としてのベトナム人の国民性を掘り下げ、さらに新たな在留資格「特定技能」と「送り出し機関の選び方」についてご紹介します。

特定技能とは

「特定技能」という在留資格をご存じですか?
特定技能とは日本の人手不足を解消するため、新たに導入された在留資格の一つです。この資格の導入によって、より多くの外国人労働者が日本で働けるようになりました。特にベトナム人の在留数はここ数年でさらに増加するだろうと見られています。

そこで今回の記事では、「ベトナム人の国民性とは?」「特定技能って何?」「送り出し機関の選び方とは?」といった疑問を解決していきます。ぜひ最後までご覧下さい。

 

日本に来るベトナム人が増えている背景

ベトナム人増加

2019年現在、日本に在留するベトナム人の数は約33万人と言われています。なぜそれほどまでに増えたのでしょうか。

日本の少子化事情

外国人労働者が増えている背景には、日本の少子化事情があります。総務省が発表した人口推移によると、2018年時点の日本の生産年齢人口(15歳~64歳)は59.7%で昭和25年と並んで過去最低となりました。今後も日本の労働力不足は加速していくと考えられます。

そのためにも、海外から労働力を確保しなければならない企業・団体が増えているのです。また、イオンを始めとした日系企業の多くはベトナムに進出しており、ベトナム人の中にも日本に親近感を持った人が多いとも言われています。

参考(総務省統計局):https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2018np/index.html

特定技能の在留資格導入について

外国人が日本で働くためには「在留資格」が必要です。在留資格には教育・技術・興行等による「活動類型資格」と、永住者や定住者に与えられる「地位等類型資格」があります。

今回はこの「活動類型資格」の枠組みの中に新たに「特定技能」という在留資格が追加されました。働くことができる選択肢が増えたことで、外国人労働者が増えると考えられます。

参考:http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/kanri/qaq5.pdf
参考:https://www.sankei.com/premium/news/180917/prm1809170001-n1.html

 

特定技能とは何か

特定技能外食

特定技能とは2019年から新たに導入された在留資格で、「介護」や「農業」「外食業」といった14の産業が対象となります。

技能実習生との違いは?

今までも技能実習生という形で、海外の方が日本で働くことは可能でした。しかし技能実習の目的は「技術を途上国に移転するための国際貢献」であり、基本的に即戦力となる人材を確保することはできできません。

今回導入された「特定技能」は、試験により一定水準以上の技術を持った人材のみが対象となりますので、即戦力を期待することが可能です。

また、技能実習と特定技能では認められている権利や業種も異なります。

対象となる14の産業分野を紹介

特定技能の対象となる産業は以下の14種です。

1号12業種
l 介護
l ビルクリーニング
l 素形材産業
l 産業機械製造業
l 電気・電子情報関連産業
l 農業
l 漁業
l 飲食料品製造業
l 外食業
l 宿泊業
l 自動車整備業
l 航空業
2号2業種
l 建設業
l 造船、船用工業

特定技能として認定されるためには「特定技能評価試験」に合格する必要があります。試験は「技能試験」と「日本語能力試験」に分かれており、両方合格して初めて特定技能ビザを得ることができます。

また、特定技能はその専門性に応じて2号と1号に分かれており、それぞれの権限は大まかにまとめると以下の通りです。

技能実習 特定技能(1号) 特定技能(2号)
人数枠 常勤職員の総数に応じて
決められている
一部の分野を除き制限なし 制限なし
試験 原則なし ある程度の知識・能力が必要
(技能実習2号修了者は免除)
高度な知識・能力が必要
転職 一部の例外を除き不可 条件を満たせば可能 条件を満たせば可能
家族の帯同 不可 不可 条件を満たせば可能
滞在期間 1号~3号の合計で最長5年 通算5年 原則期限なし

特に大きな違いとして、特定技能2号には日本国内で家族の帯同が認められています。しかし、その分求められる能力も高く、試験の難易度も高いと言われています。

参考:https://www.jitco.or.jp/ja/skill/

 

ベトナム人は優秀なのか

ベトナム人優秀

外国人労働者の中でも特に真面目で勤勉な人が多いと言われるベトナム人。その国民性についてご紹介させて頂きます。

国民性を表す4Kとは

ベトナム人を紹介する際によく言われるのが「4K」と呼ばれる特徴です。それぞれ一つずつ解説していきます。

器用

ベトナム人はとても手先が器用だと言われています。緻密な工芸品は世界的に評価され、また工業の分野においても目覚ましい進化を遂げています。ABUロボットコンテストでは2017年,2018年と2年連続でベトナム代表が優勝しました。

特定技能の対象となる業種の中でも器用さが求められる職種は多く、その国民性とは非常に相性が良いと言えます。

向学心旺盛

ベトナム人は非常に向学心が旺盛です。習い事やダブルスクールに通う人も多くいます。ベトナムでは儒教の教えが強いため、真面目で勤勉な人が多く新しい知識を吸収する事に貪欲のようです。日々技術が進歩する現代において、自ら学ぶ姿勢を持った人材は貴重です。

近視眼

ベトナム人は直近の利益を優先するタイプの方が多いと言われています。近視眼的というと聞こえが悪いかもしれませんが、その行動力は日本人にはない魅力の一つです。

また、利益のために目の前の仕事を精一杯取り組むタイプが多いので、敬遠されがちな単純労働も得意と言われています。

交渉上手

4Kの4つめは「カカア天下(女性が強い)」という説もありますが、「交渉上手」「コネ社会」とも言われています。商売に対するセンスが良いため、遠慮しがちな日本人に比べて大胆な交渉も任せることができるでしょう。

 

送り出し機関とは何か

送出し機関

さて、ここまで「特定技能」と「ベトナム人の国民性」について解説して来ましたが、最後に日本と海外を繋ぐ重要な役割を担う「送り出し機関」についてご説明します。

送り出し機関がやっていること

送り出し機関が行うことは主に「技能実習生を日本に送り出す前の教育」と「日本の監理団体への紹介」です。

日本語教育

送り出し機関では、技能実習生に対する日本語の授業があります。実習生が現地で困らないよう、最低限必要な日本語を教えてくれます。これによって、日本での技能研修をスムーズに行うことができます。

日本の文化・マナー教育

また、日本語だけでなく日本の文化・マナーについても教育を行います。マナーを知らないと意図せず相手を怒らせたりトラブルを引き起こしたりする要因となり、非常に危険です。事前に文化やマナーを学んでいれば、日本に来てからもコミュニケーションが取りやすくなります。

参考:https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/send/

 

送り出し機関を選ぶ際のポイント

送出し機関の選び方

技能実習生を受け入れる場合、送り出し機関は慎重に選ぶ必要があります。

送り出し機関の質には差がある

送り出し機関の数は非常に多く、その質も教育内容も様々です。教育のレベルはどうか、サポート体制はどうなっているか、選定の際にはその見極めが重要になってきます。

教育のレベルについて

まず、日本語教育において「ネイティブレベルの日本語を話せる教師」はいるか、そして語学だけでなく「日本独自の文化やマナー」までしっかり教育しているか確認しましょう。特に文化やマナーについては教育が不十分な場合があります。

事前教育がどういったレベルで行われているか確認することが重要です。

駐在事務所の有無

また、駐在事務所の有無もチェックしましょう。国内に駐在事務所があれば、トラブルがあった場合の対応速度が大きく異なります。

また、駐在所が無くてもSNS等を通じて技能実習生のケアを行ってくれる場合もあります。詳しくは各機関にご確認下さい。

悪質ブローカーとの癒着はないか

最後に、一番危険なのが「悪質ブローカーとの癒着」です。

悪質ブローカーの多くは個人的に企業に連絡を取り、送り出し機関と繋ぐことを提案してきます。悪意のない顔で近づいてきますが、裏では実習生に対して不当な額の保証金を請求したり、キックバック目的で技能実習生に虚偽の条件を提示したりと悪質な詐欺行為が行われています。

技能実習生を希望する人材には、SNSや知人のつてを通じて「送り出し機関を紹介してあげる」と声をかけられても、決して話に乗らないようにしましょう、と広く知らせなければなりませんが、ベトナムでは、身近な人の紹介を第一に信頼するため、この問題を根絶できずにいるのが現状です。

認定送出機関の一覧は外国人技能実習機関のHPをご参照下さい。

 

まとめ

さて、今回の記事では「特定技能」「ベトナム人の国民性」、そして「送り出し機関の選定方法」についてご紹介させて頂きました。
●特定技能によって外国人が働ける業種が増えた
●外国人在留者数は年々増えている
●ベトナム人の国民性は日本人と相性が良い
●送り出し機関を選ぶ際は教育の質や駐在所の有無を確認する
送り出し機関や監理団体の制度が整った今、外国人労働者の受け入れに対するハードルは大きく下がりました。「人手不足倒産」となる前に、一度外国人労働者の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか。