経済状況が悪化する現在、経済的余裕のない企業も多く、外国人を活用するためにも助成金の活用は不可欠です。今回『ベトナム人材辞典』では、外国人労働者にも適用される「助成金と補助金」についてわかりやすく解説します。当記事を参考に、ぜひ助成金を活用してみてはいかがでしょうか。
日本では長い間、介護や宿泊業など多くの業界で、慢性的な労働者不足に悩まされてきました。そこで国をあげて取り組みだしたのが、「外国人労働者の活用」です。
2019年10月の時点で、日本の外国人労働者は約166万人。前年から約20万人、13.6%も増加しています。外国人労働者は今後も増え続け、間違いなく日本の経済になくてはならない存在となっていくでしょう。
一方で、言葉も習慣も違う外国人が日本で働くのは、言葉でいうほど簡単ではありません。受け入れる企業の手厚いサポートがなければ、外国人労働者の雇用は成り立たないのです。
ただし大企業ならともかく、中小企業には労働環境を整備する余裕がありません。幸いなことに、そういった中小企業でも外国人労働者を積極的に雇用できるよう、国や地方自治体が様々な助成金制度を用意してくれています。
今回ご紹介する8つの助成金は、外国人労働者専用の制度ばかりではありませんが、外国人労働者に対しても問題なく適用されます。
ぜひ上手に活用していきましょう。
助成金とは一体どういう制度なのか
助成金とは、一定の要件を満たした場合に、国や地方自治体から支給される「原則返済義務のない」お金です。
返済義務がないことから “経済的支援” というイメージが強いですが、助成金を得るには下記のような、本来緊急ではない事項に対して多大なコストと労力をかける必要があります。
● 雇用機会を増やす
● 従業員のキャリアアップをおこなう
● 労働環境を整備する
したがってただの資金援助ではなく、労働環境を整えた優良企業に対する “報奨金” 的な意味合いを持つ制度だということを、ぜひ理解しておきたいところです。
助成金と補助金の違いとは
助成金と似た制度に「補助金」があります。両者は一体なにが違うのでしょうか。
どちらも「原則返済不要」という点では同じですが、もっとも大きな違いは「管轄省庁」と「応募件数・期限の有無」の2点です。
雇用系の助成金は主に「厚生労働省」が交付。(地方自治体でも独自の助成金制度あり)
対して補助金は、「経済産業省」や「中小企業庁」など、多くの省庁が独自の制度を設けています。
また助成金は基本的にいつでも受付け可能で、申し込めば原則適用されます。補助金は採択される件数が決まっていることが多く、公募の結果によっては落選する可能性も。
しかし実際のところ、助成金と補助金はあまり厳密に区別されていないようです。省庁によっては、助成金なのに補助金の要件でよい場合もあります。
助成金を利用するための共通要件
助成金を利用するには、各助成金ごとの要件以外にも、すべての助成金に共通した要件をクリアしていることが大前提です。
ここでは、主な共通要件をご紹介しておきます。
■受給できる事業主
1. 雇用保険が適用されている事業所の事業主であること
2. 支給審査に協力すること
● 支給決定に必要な書類等を整備・保管していること
● 管轄労働局から、上記書類等の提出を求められたら応じること
● 管轄労働局の実地調査を受け入れること など
3. 申請期間内に申請をおこなうこと
■受給できない事業主
1. 2019年4月1日以降に雇用系助成金を申請し、不正処分を受けた場合、処分の日から5年を経過していない事業主(2019年3月31日以前は3年)
2. 2019年4月1日以降に申請した雇用系助成金について、以前他の事業所で不正受給に関与した役員がいる場合は申請できない
3. 申請日の前年度以前に、未納労働保険料がある事業主
4. 支給開始日の前日より1年前までの期間に、労働関係法令違反があった事業主
5. 性風俗関連などの営業(一部受託も含む)をおこなう事業主
6. 事業主・役員が、暴力団と関わりのある場合
7. 事業主・役員が、暴力破壊活動をおこなった・もしくはおこなう恐れのある団体に属している場合
8. 支給申請日・決定日に倒産している事業主
9. 不正受給の発覚時におこなわれる「事業主名・役員名の公表」について、承諾していない事業主
その他にも留意事項などが細かく規定されていますので、「各雇用関係助成金に共通の要件等」で確認しておいてください。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000617476.pdf
参考:https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/bukai/20181127/181127bukai04.pdf
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000615544.pdf
外国人労働者に適用される助成金などの主な補助制度
ここでは外国人労働者に適用される助成金を7つと、補助金を1つご紹介します。冒頭でもお話しましたが、外国人労働者の労働環境整備に対して適用される「5.人材確保等支援助成金」以外は、日本人・外国人のどちらでも利用可能です。
1.雇用調整助成金「事業縮小などにともなう休業補填などに」
雇用調整助成金とは、業績悪化で事業を縮小せざるを得ない状況で、休業・教育訓練・出向など、雇用維持の取り組みをした企業に対して支払われる助成金です。
雇用調整助成金は、大企業と中小企業どちらも利用可能ですが、助成金額が違います。中小企業の定義は、業種ごとに「資本金と従業員数」で決められていますので、詳細は下記参考サイトで確認してください。
対象者 | 1.雇用保険に加入している事業所・労働者 2.最近3カ月の売上高(生産量)が、前年同期と比べて10%以上減少していること 3.休業・出向が労使協定に基づくものであること(計画書と協定書が必要) ※同事業所で、雇用保険の加入期間が6カ月未満の労働者は対象外 |
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支給額 | ・休業手当・出向負担額(労働者1人につき:上限7,870円) 大企業:1/2 中小企業:2/3・教育訓練(社内)時の加算額 大企業:1人1日あたり1,000円 中小企業:1人1日あたり1,500円・教育訓練(社外)時の加算額 大企業:1人1日あたり2,000円 中小企業:1人1日あたり3,000円 |
支給期間 | 1年間のうち100日、3年間で300日まで |
注意点 | ・休業期間ごとに計画書の提出が必要 ・初めての提出は調整開始日の2週間前をめどに、2回目以降は調整開始日の前日まで ・支給申請期間は判定基礎期間(実際に休業や出向をする期間)終了後、2カ月以内 |
参考:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/dl/a05-1a.pdf
2.トライアル雇用助成金「一定期間の試験雇用に対して」
ハローワーク等を通じて、一定期間試験雇用をおこなった事業所に対して適用される助成金です。トライアル雇用は下記の3種類にわかれており、それぞれ要件が違います。
● 一般トライアルコース:55歳未満で安定所等にて個別支援を受けている者が対象
● 障害者トライアルコース / 障害者短時間トライアルコース:障害者が対象
● 若年、女性建設労働者トライアルコース:建設技能労働者として働く若年者(35歳未満)、女性が対象
ここでは一般トライアルコースの詳細をご紹介しますが、他のコースに関しては下記に参考サイトを記載しておきますので、ご確認ください。
対象者 | 1.紹介日の前日2年以内に、2回以上離職・転職をした人 2.紹介日の前日で、離職期間が1年を超えている人 3.紹介日の前日で、安定した職に就いていない期間が1年を超えている人(妊娠・出産・育児などの理由による) 4.紹介日の時点で、ニートやフリーター等で45歳未満の人 5.特別な配慮が必要な人(生活保護、母子家庭、生活困窮者など) |
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支給額 | 支給対象者1人あたり:月額4万円 ※母子・父子家庭の「母・父」が対象者の場合、月額5万円 |
支給期間 | 雇用日から1カ月単位、最長3カ月まで |
注意点 | ・ハローワーク、紹介事業所の紹介により雇用すること ・トライアル雇用は原則3カ月 ・1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度であること(30時間が目安) |
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/trial_koyou.html
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/shougai_trial.html
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kensetsu-kouwan/kensetsu-kaizen.html
3.キャリアアップ助成金「非正規から正規への転換に対して」
有期契約の労働者に対して、労働環境などの向上を図った企業へ支払われる助成金が「キャリアアップ助成金」です。メインとなるのは、非正規雇用から正規雇用への切り替えに対する助成ですが、「賃金改定」や「健康診断受診」など、対象となるポイントにより、7つに分類されています。
1. 正社員化コース
2. 賃金規定等改定コース
3. 健康診断制度コース
4. 賃金規定等共通化コース
5. 諸手当制度共通化コース
6. 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
7. 短時間労働者労働時間延長コース
【正社員化コースの概要】
対象者 | 【全コース共通要件】 1.雇用保険に加入している事業所・労働者 2.事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること 3.事業所ごとに、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の認定を受けた事業主 4.対象者の労働条件・勤務状況・賃金の支払い状況などを明示できること 5.キャリアアップ期間内に、キャリアアップへ取り組んだ事業主 |
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支給額 | 【正社員化コース】 ・有期→正規:1人あたり57万円(中小企業)、42万7,500円(それ以外) ・有期→無期:1人あたり28万5,000円(中小企業)、21万3,750円(それ以外) ・無期→正規:同上※上限は年間最大20人まで |
注意点 | ・対象となる労働者は、6カ月以上有期・無期雇用をされていること ・事業主または取締役が、3親等以内の親族でないこと ・転換後の賃金を5%以上増額させていること など |
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
4.人材開発支援助成金「職業訓練にかかった経費と訓練中の賃金に対して」
人材開発支援助成金とは、従業員に提供した職業訓練にかかった費用と訓練中の賃金の一部を助成するしくみをいいます。訓練の内容によって7つに分類されていますから、どのコースを利用すればいいのかよく確認する必要があるでしょう。
1. 特定訓練コース:職務向上を目的とした特定訓練(訓練効果の高いもの)を実施した場合の助成金
2. 一般訓練コース:特定訓練に認定されないコースを実施した場合の助成金
3. 教育訓練休暇付与コース:自発的な訓練受講をする従業員に与える休暇制度を導入し、実際に休暇を利用した場合に適用される助成金
4. 特別育成訓練コース:パートなど、有期契約労働者の人材育成をおこなった事業主に対しての助成金
5. 建設労働者認定訓練コース:職業能力開発促進法による認定訓練をおこなった、中小建設事業主団体への助成金
6. 建設労働者技能実習コース:有給で技能実習を受講させた、建設事業主団体に対しての助成金
7. 障害者職業能力開発コース;障害者への教育訓練を継続して実施する、事業主に対しての助成金
【特定コースの概要】
対象者 | 【事業主】 ・訓練期間中の従業員に適正な賃金を支払っていること ・訓練にかかる費用など、必要な書類を整備していること ・計画書提出日前日の6カ月前から提出日までの間に、従業員を解雇していないこと など【従業員】 ・申請事業主に雇用されている、雇用保険被保険者であること ・対象訓練の8割以上を受講していること など |
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支給額 | 【OFF-JT】座学、実地訓練 ・賃金助成:1人1時間あたり760円(960円) ※大企業は380円(480円) ※上限1,200時間 ※()内は、向上が認められた場合 【OJT】指導者のもと、実際の業務中におこなわれる訓練 ・賃金助成:1人1時間あたり665円(840円) ※大企業は380円(480円) ※上限680時間【共通】 ・経費助成:対象経費の45%(60%) ※大企業は30%(45%) ※上限:下記の通り ・10時間以上100時間未満:15万円(大企業10万円) ・100時間以上200時間未満:30万円(大企業20万円) ・200時間以上:50万円(大企業30万円) |
注意点 | ・訓練計画書は、訓練開始日の1カ月前までに提出 ・支給申請は、訓練終了翌日から、2カ月以内におこなう ・計画の変更届は、訓練日の前日までに提出 ・訓練時間の8割に満たない場合は、支給されない |
参考;https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
5.人材確保等支援助成金「外国人労働者の労働環境整備に対して」
職場の環境改善や生産性向上への取り組みに対して助成をおこない、従業員の定着促進等を図る目的で制定されたのが、「人材確保等支援助成金」です。
これまでは9種類のコースに分類されていましたが、2020年から外国人労働者の労働環境整備に対して助成される「外国人労働者就労環境整備助成コース」が新設されました。今回ご紹介する助成金のなかで、唯一外国人だけに適用されるのが本コースです。
1. 雇用管理制度助成コース
2. 介護福祉機器助成コース
3. 介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
4. 人事評価改善等助成コース
5. 設備改善等支援コース
6. 働き方改革支援コース
7. 雇用管理制度助成コース(建設分野)
8. 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
9. 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
10. 外国人労働者就労環境整備助成コース
【外国人労働者就労環境整備助成コースの概要】
対象者 | 1.外国人労働者を雇用する事業主であること 2.下記「a.b」をおこなったうえで、c〜eのいずれかを選択して実施すること a.雇用労務責任者の選任 b.就業規則等、社内規程の多言語化 c.苦情・相談体制の整備 d.一時帰国のための休暇制度 e.社内マニュアル・標識類等の多言語化 3.環境整備終了後、測定日に外国人労働者の離職率が10%以下であること |
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支給額 | ・生産要件を満たした場合:支給対象経費の2/3(上限72万円) ・生産要件を満たしていない場合:支給対象経費の1/2(上限57万円) |
支給対象経費 | ・通訳費(外部委託分のみ) ・翻訳機器の導入費用(面談時に使用。上限10万円) ・翻訳料(外部委託分のみ) ・弁護士、社会保険労務士等への委託料 ・多言語標識などの設置・改修費用 |
注意点 | ・3カ月〜1年以内の計画書を作成して、労働局長の認定を受けること ・計画書は遅くとも、開始日1カ月前の前日までに提出 ・生産要件を満たすと、支給額が割増しされる可能性がある |
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199292_00008.html
6.労働移動支援助成金「離職を余儀なくされた労働者の再雇用に対して」
労働移動支援助成金は、業績悪化などの理由で離職を余儀なくされた労働者の、再就職支援をおこなう企業に対して支給される助成金です。
当制度は下記の2コース。
● 再就職支援コース
● 早期雇入れ支援コース
再就職支援コースは、文字通り、再就職活動(紹介業者への委託、求職活動に当てる休暇、再就職訓練の委託など)をおこなう企業への助成金です。
早期雇入れ支援コースは、離職した労働者を3カ月以内に「期間の定めのない労働者」として雇入れ。さらにそのまま継続して雇用する事業主に対して支給されます。
【再就職支援コースの概要】
対象者 | 1.申請事業主に雇用保険を1年以上かけてもらっていること 2.申請事業主の事業所へ復帰できる見込みがないこと 3.職業訓練所や事業主から解雇通知を受けたと考えてないこと など |
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支給額 | 【中小企業の場合】 1.再就職支援(通常) (委託総額-訓練実施にかかる委託費用-グループワーク加算額)× 1/2(45 歳以上の場合、2/3)の額2.休暇付与支援 1日あたり8,000円(上限180日) ※離職後1カ月以内に再就職した場合、1人につき10万円支給 3.職業訓練支援 |
注意点 | ・再就職支援をおこなわず、休暇付与や職業訓練を実施する場合でも、制度の利用は可能 ・支援実行前に必ず計画書の提出が必要 ・支援完了後、対象期間期限翌日から2カ月以内に、支給申請をすること |
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/roudou_idou.html
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805.html
7.中途採用等支援助成金「中途採用を拡大する企業に対して」
中途採用等支援助成金は、中途採用を増やした企業に対して支給されます。具体的には、下記の3コースが適用。
● 中途採用拡大コース;雇用管理制度を改善して、中途採用を増やした場合
● UIJターンコース:地方企業が東京圏からの移住者を雇用した場合
● 生涯現役起業支援コース:40歳以上の人が自ら起業し、40歳以上の従業員を雇用した場合
【中途採用拡大コースの概要】
対象者 | 下記の5つすべてに該当する労働者がいる場合 1.申請事業主に中途採用で雇用された 2.雇用保険の被保険者として雇用された 3.期間の定めのない労働者として雇用された(パートを除く) 4.雇用前日から1年前までに、出向や派遣などとして該当事業所で働いたことがない 5.雇用前日から1年前までに、事業主から独立性のない雇用をされていない(親会社と子会社など) |
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支給額 | 【中途採用拡大助成】 ・20ポイント以上向上:1事業所あたり50万円 ・40ポイント以上向上:1事業所あたり70万円 ・そのうち、初めて中途採用をおこなう場合:上記プラス10万円 ・45歳以上を初採用:1事業所あたり60〜70万円【生産性向上助成】 ・中途採用の拡大:1事業所あたり25万円 ・45歳以上を初採用:1事業所あたり30万円 |
注意点 | ・中途採用計画書を、採用日の6カ月前から開始日までの間に提出 ・変更がある場合は、定められた期限までに必ず変更届を提出 ・採用日から3年前に雇用保険適用事業所であること など |
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000160737_00001.html
参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082805.html
8.【補助金】介護福祉士修学資金等貸付制度「卒業後、介護業務に従事しようとする学生に対して」
ここまで7つの助成金をご紹介してきましたが、最後に外国人労働者にも適用される補助金「介護福祉士修学資金等貸付制度」をご紹介します。
介護福祉士修学資金等貸付制度は、介護福祉士・社会福祉士の養成施設等に在籍していて、将来該当県内で福祉業務に就業する意思のある人に対して貸付けをおこなう制度です。
利用者は無利子で学費等を借りられ、さらに県内の福祉施設で継続5年間従事すれば、返済は全額免除になります。ただし途中で退職した場合は、全額返済しなければなりません。将来のキャリアについてよく計画を立ててから、利用を決定してください。
【東京都の場合】
対象者 | 下記の要件をすべて満たしていること 1.次のいずれかに該当すること a.東京都内に住民登録している b.東京都内の養成施設に在学中 c.入学前年に東京都内に住所があり、養成施設の勉強のため都外に転出した場合 d.卒業後に東京都内の介護施設で働く意思がある 2.成績優秀、または介護福祉士資格取得に向けて積極的である 3.同じ家計である家族の所得が、一定基準以下である 4.他県の貸付を受けてない 5.卒業1年後以内に、介護福祉士として5年間継続勤務する意思のあること |
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支給額 | ・月額:5万円以内 ・入学準備金:20万円以内 ・就職準備金:20万円以内 ・介護福祉士国家試験受験対策費用:4万円以内 ※条件によって生活費加算金もあり ※交付は年2回 |
支給期間 | 養成機関の正規修学期間 |
注意点 | ・途中で退学、もしくは卒業後就業した施設を5年以内に退職した場合、貸付金は全額返済 ・連帯保証人が必要 ・外国籍の人は、国籍・在留資格・期間・満了日が記載された書類を提出 |
参考:https://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/shikin1.html
※制度の基本的な内容は、各都道府県共通
ここまで駆け足ではありましたが、8つの「助成金・補助金」をご紹介してきました。
これからの日本には、外国人労働者の力が不可欠です。しかし厳しい経済状況の昨今、外国人労働者を手厚く迎える余裕のある企業はそう多くありません。
となれば、資金の厳しい中小企業を中心に、こういった公的な助成金をどんどん活用していくべきです。
ただし助成金を利用するには、労働環境の整備を要件とされます。手間と時間をとられますから、もしかすると最初はかえって大変かもしれません。でも最終的には、外国人労働者の満足度も上がり、企業の成長に大きく貢献してくれるはずです。
「どの制度を利用するのがいいのか」、当記事を参考にしながら、ぜひいろいろと調べてみていただければと思います。