2018年の骨太の方針にて、新たに介護・造船・建設・宿泊・農業という人手不足が深刻な5業種に対して「特定技能」枠で外国人材を受け入れるとの方針が発表されました。その数なんと2025年までに50万人。

まだ方針が発表されただけで、細則が未定なので、どのような人材の供給側としてもどのような対応をすべきか決められません。

今回は、どのような人がこの「特定技能」枠で働くことになるのかを考えたいと思います。

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まず、日本で働きたいベトナム人の選択肢ですが、主に2種類となります。

  • 技能実習生
  • 留学生(アルバイト目的)
  • ※高度人材枠の「エンジニア」は、含めていません。

「特定技能」は、ここに第3の選択肢として浮上してきます。

そして、その枠を希望する見込み層が下記になります。

  • 日本語学校の留学生
  • 高校生(アルバイト目的の留学希望者)
  • 高校生(ベトナムでの就職希望者)
  • 文系大学・短大・専門学生

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在日留学生

留学生は、現在アルバイトとして、日本の産業に欠かせない存在です。物流、飲食、小売りなど。彼らもアルバイトを目的として留学しています。そんな彼らは、最大2年の日本語学校を卒業すると、進路を選択しますが、ほとんどが、進学か帰国となります。高卒の学生が多く、そのまま就職できる学生はほとんどいません。

しかし、「特定技能」がスタートすると、その門戸が大きく開くことになります。これまで専門学校に進学してアルバイト期間を延ばしていた学生もここでの就職を希望するでしょう。

日本語学校を卒業しているため、ベトナム現地から連れてくる学生よりも日本語が話せるため、企業としては貴重な人材となります。

高校生(アルバイト目的の留学希望者)

これまで日本へのアルバイト目的の留学を希望していた学生は、「特定技能」を選択する可能性が高くなります。

技能実習制度の過酷さを知っている学生は、これまで日本留学を希望していましたが、やはり年間70万円ほどの授業料が大きな負担となります。日本で稼ぎたいけれど、実習生はイヤという学生が集まるでしょう。

高校生(ベトナムでの就職希望者)

高校を卒業してベトナムの企業に就職する学生がもっとも人数が多いです。これらの中から、下記の理由で日本行きを選択していなかった層が、「特定技能」での就労を希望するようになると考えられます。

  • 実習生は、給料も低く、制約も多いからイヤ
  • 留学は、学費がかかる

ただ、「特定技能」で日本に行くために、実習生と同じほどお金を積まなければならなかったり、ベトナム国内での研修期間が長くなるようなら、人数は減るかもしれません。

文系大学・短大・専門学生

経理・経営・語学など、文系に進学した学生は、通訳などの高度な技能を持つ場合を除いて日本で働くことはできませんでした。しかし、「特定技能」枠ができることで、ベトナム国内企業へ就職予定だった人が、日本に来る可能性が増えるでしょう。

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以上、想定される人材層を見てきましたが、すべては「特定技能」資格の自由度と技能・日本語力のレベル要件によって決まります。

現状は、技能実習生と高度人材エンジニアの間に位置する資格と考えております。