外国人技能実習制度を運用するに当って、必要不可欠な組織としてOTITとJITCOがありますので、各々の組織についてご紹介します。
OTITは、JITCOの課題を解決すべく設立されましたが、それによってJITCOが役割を終えたわけではなく、現在併存している状態です。現制度下では、OTITの役割を理解しておけばいいでしょう。
(1)OTITとは(概略)
OTIT(Organization for Technical Intern Trainingの略)で日本名称では「外国人技能実習機構」と言います。設立は2017年1月25日で認可法人として東京都港区に設立されました。
この組織は、2017年11月1日に施行(2016年に制定)された「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年法律第89号)」により設立された法人で主務大臣は法務大臣及び厚生労働大臣になります。
(2)OTITの目的と業務
OTITの活動目的は、大前提として国際協力があり、その一環として、発展途上国等での人材を本邦に招き技術・技能・知識等の移転を行い、その習熟度合を深めることを目的にしながら、更に一時期不法な在留資格で労働を強要されていたような犯罪を未然に防ぐため、外国人実習制の保護もその目的に併せ持っています。
OTITの業務内容としては以下の事が規定されています。
- 技能実習計画の認定
- 実習実施者・監理団体への報告要求、実地検査
- 実習実施者の届出の受理
- 監理団体の許可に関する調査
- 技能実習生に対する相談・援助
- 技能実習生に対する転籍の支援
- 技能実習に関する調査・研究等
参考:OTITホームページ
出典:OTIT(外国人技能実習機構ホームぺ―ジ「目的・業務について」)
(3)JITCOとは(概略)
JITCO(Japan International Training Cooperation Organizationの略)は、日本名称では「国際研修協力機構」と言います。一般には「ジツコ」の呼び名で呼ばれています。
設立は1991年に遡り、「外国人技能実習・研修制度の円滑な運営・適正な拡大に寄与することを事業目的とし、法務、外務、厚生労働、経済産業、国土交通の五省共管により」設立されたのが始まりで、2012年4月には内閣府所管の公益財団法人となり現在に至っています。
(4)JITCOの目的と業務
JITCOの活動目的は、「外国人技能実習制度の総合支援機関として、「受入れ」「手続き」「送出し」「人材育成」「実習生保護」の5つの支援事業を柱に、セミナー・講習会の開催、個別のご相談、教材等の開発・提供などを通じて、監理団体、実習実施者、送出機関等の制度関係者の皆様をサポート」することにあります。
JITCOの業務内容としては、「技能実習制度全般に関する監理団体・実習実施者・送出機関等の制度関係者への総合的な支援機関として、セミナーの開催、個別のご相談、教材等の開発・提供などの各種支援サービスを行うほか、監理団体の監理責任者や実習実施者の技能実習責任者の方々に対する、主務大臣からの告示を受けた養成講習機関として、養成講習を実施」となっています。
参考:JITCOホームページ
出典:JITCO(国際研修協力機構ホームページより「JITCOとは」)