「造船・船舶産業」分野は、特に、港運業が多い瀬戸内海や九州沿岸地方に集中して人材確保が出来ていない分野と認められています。島国日本にとって生命線でもある造船・舶用工業は、労働集約型産業として地域の経済・雇用にも貢献している非常に重要な産業です。

そこで、外国人による特定技能資格者により一部の業務を担ってもらおうとする取り組みになります。つまり、地元に密着しながら就労する造船・舶用産業は、地方に偏在しており、少子高齢化・生産年齢人口減少だけではなく、若者が都市圏に就労する流れが逆風になっています。

具体的な数字で見てみましょう。2018年(平成30年度)における 「造船・舶用産業分野」の有効求人倍率では、溶接(金属溶接・溶断工)2.50倍、塗装(塗装工)4.30倍、鉄工(鉄工、製缶工)4.21倍、仕上げ(めっき工、金属研磨工)4.41倍、機械加工(数値制御金属工作機械工)3.45倍、電気機器組立て(電気工事作業員)2.89倍といずれも非常に高い数値になっています。2017年時点ですでに6,400人程度の人手不足 が生じていると考えられます。

国土交通省傘下の「交通政策審議会」による今後5年後(令和4年)までに「世界の新造船建造量のシェア30%を獲得する」を達成するために必要となる労働力等から算定し2万2千人程度の人手不足が生じると推計している。そのため、国では初年度、1,300人から1,700人、5年間で1万人から1万3千人の受入れ を想定しています。

(参照:国土交通省『造船業における人材の確保・育成』)

 

人材要件

造船・舶用産業分野において特定技能の在留資格を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 技能水準では、「造船・舶用工業技能測定試験」に合格すること、又は同等以上の水準が義務付けられています。
  2. 日本語能力水準では、「日本語能力判定テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」が定められています。

 

就労内容

特定技能の資格で就労できる業務は、造船・船舶産業に関わりのある下記職種になります。

  • 溶接作業(金属溶接・溶断工)
  • 塗装作業(塗装工)
  • 鉄工作業(鉄工、製缶工)
  • 仕上げ(めっき工、金属研磨工)
  • 機械加工(数値制御金属工作機械工)
  • 電気機器組立て(電気工事作業員)

 

まとめ

造船・船舶産業分野においても特定技能外国人労働者の手助けが無ければ、国土交通省の掲げる2024年までに「世界の新造船建造量のシェア30%を獲得する」という造船業発展の道筋が描けない状況になっています。この造船船舶業界が、若く有望な特定技能外国人の活躍できる場となることは間違いありません。