2019年4月1日より施行された外国人の在留資格のことで、この制度は2018年10月の国会で決議され半年後に開始された新制度のことです。これにより、日本の産業界において広く外国人就労者を迎え入れられるようになりました。
ここでは、2019年3月に示された法務省入国管理局による「特定技能外国人受け入れに関する運用用要領」を基本として、その他の知見や解説等を織り交ぜながらご紹介します。法律用語や法律条文など法律家ならまだしも、一般の人には慣れない言葉をかみ砕きながら進めますので、入国管理法などの法律に詳しくない方々にも読みやすく進めます。
特定技能創設の意味と目的
今まで国・政府は、海外の人材に対して単純労働は受け入れないというスタンスを貫いてきました。「就労ビザ」や「留学生の資格外活動」など厳しい制限付きで就労が可能でした。しかし、今回の法律改正では、少子高齢化や中小企業における人材難の深刻化を危惧した内容が盛り込まれており、外国人就労のハードルが大きく下げられ、わが国の経済を救う手立てとして位置付けられるに至っています。
求人力の弱い中小企業にとって、国内人材の確保の各種方策を採ってもなお人材確保に困難な状況がある産業分野に特化して、一定の専門性や技能を有し即戦力となる外国人を受け入れる仕組みとして成立しました。政府の主張は、依然として、単純労働での受け入れではない、というものです。
特定技能の基本方針
特定技能における外国人受け入れに対する枠組みを創設した基本方針は、以下の5つの項目に分かれています。
- 特定技能の在留資格に係る制度の意義
- 人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業分野
- 当該産業分野における求められる基本的な事項
- 特定技能の在留資格運用に関する関係行政機関の事務調整に関する事項
- 特定技能の在留資格に係る制度運用に関する重要事項
特定技能の分野別運用方針
上述のように特定技能に関しては、指定を受けた産業分野を所管する行政機関と緊密な連携をとりながら運用を図っています。また法務省、国家公安委員会、外務省、厚生労働省との連携も行われ、運用されています。
このことは、産業別の各種企業にとっては自身が所属する産業分野を所管する行政機関もこの特定技能という在留資格に関して大きな役割を果たしていることを示しています。
まとめ
特定技能は今までにない日本国内事情による人材確保困難産業に対して、外国人人材を一定期間雇用できる制度になります。受入の規模の推計としては、2019年度の初年度で3万人~5万人弱、5年で約35万人になるとのこと 。これらの方々が学歴要件や実務経験が無くても来日就労できることになります。